久しぶりに大前研一さんのセミナーを聴いたのですが、かつて大前さんが「ドットコム革命」を提唱して、ネット上に存在しない企業は世の中に存在しないのと同じだということを説かれていた昔と同じように、今はスマホやタブレットの中で「アイコンになってなければ意味がない」と示唆されていました。

「スマート革命」とでも言うべきこのライフスタイルの変化は、カメラや音楽プレーヤーなどハードを持ち歩かなくてもスマホやタブレットの中のアプリとしてあればユーザーはいつでも便利にそれを使えるため従来のビジネスモデルまでも大きく変えようとしています。

今では大前さんの予測通りどの企業もウェブサイトを持っていますが、これからはビジネスのプラットフォームにアイコン(=アプリ)として存在していなければ、つまり‘存在しない=使われない’時代になるのかもしれません。

よく「ウェブサイトでいい」とか「PDFで充分」と言うメディア担当者も居ますが、ユーザーから見るとそれはただの「手抜き」でしかなく‘使われない、選ばれない’だけでなく、‘削除されたり、嫌われたり’する確率すら高まるのではないでしょうか。

しかし、印刷やウェブサイトを制作するのも当時はとてつもなく複雑な手間やコストを必要としたにも関わらず、長年掛けて効率を高めた構造の’業界’ではアプリような新しい異質なものは余り注力されクリエイティブされていないようです。

例えば印刷業界の方が作るアプリはPDFベースのパラパラ系が多く、ウェブ業界の方が作るアプリはウェブサイト依存のビューワー系が多く見られます。また、アプリと言えばゲームだと思う人も居ますし、ケータイから来たモバイル業界の方は全てオンラインで操作させる発想ゆえにオフラインでの使用を想定外にされたアプリを作る傾向にあるようです。実際タブレットなどはオフラインでの使用頻度の方が高いにも関わらずです。

これからはユーザーの手の中にあるアイコン=アプリとして機能的にもデザイン的にも‘いいね!’と思われるものを提供していくことがより必要になっていくと感じています。

そこでのアプリは印刷やウェブやケータイの其々の良さと特性をクロスさせ用途に応じてバランスのいい機能性とデザイン性を持たせるのが理想だと思います。

クラシックでも、ジャズでも、ロックでもなく。落語でも、漫才でも、コントでもない笑いのツボとでもいうか。

クリエイティブに正解などないのですが、そんなツボをついたアプリを創り続けていけたらと思います。

Takashi